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コミュニティにおける身内ノリの定義 ~スマブラキャラ窓を通じて~

私がウマ娘のライブを流行病でキャンセルする羽目になりクソほど落ち込んで仕事も趣味も手につかなかったころ、どこかの窓では窓民によって過剰な"身内ノリ"が告発され、なんかそんな感じにもめてたらしいということをGWで念願のウマ娘ライブの余韻に浸ってるときに聞きました。ごめんTL厳選しててスマブラの情報入らないようにしてて気づかんかった

「あの窓身内ノリきついらしいよ」っていう話を聞いて「今オラの窓のこと…」って思ったらどうやらネス窓ではないらしい。いや身内ノリきつい窓って言ったらネス窓だろ何言ってんだよ。マジで違うの?へー。

今回話す内容は、そもそも身内ノリって何?って話、身内ノリの功罪、あとは常駐(管理)側、参加側の考え方について話そうかなと思います。

 

 

身内ノリって何?

まずこれは何なのか。

ぱっと調べると「友人同士、一定のグループでしか伝わらないギャグやおふざけ」とのこと。

要はその空間でしか通用しない、さらに狭い場合は2,3人の間でしかわからない行動全般を指す。

パッとイメージがつく人もいれば、そんなでもない人もいるのではないでしょうか。

言い換えると、一部の人間にしか使えない言語だと思うのがわかりやすいでしょう。

例えば集団の中で2人しか英語を喋れる人がいない場合、英語でジョークをいったところでほかの人には伝わらない。これはある種の身内ノリが起きている空間と同様の状況が形成されているといっても過言ではありません。

というのも、集団を形成するものは基本的に思想か言語によるところが大きく、「そのネタがわかる人か否か」というのが相手を区別する要素になりうるのはコミュニケーションの可否≒共通言語の役割に似ていると考えられます。

身内ノリというと各集団のオリジナリティある空間のみをさすように思えますが、これは「話題」にも通づるところがあるかと思います。

私は先日「シン・ウルトラマン」を見てきて未だ興奮冷めやらぬ状態にありますが、コミュニティの会話内にあたかも全員に通じるかのようにこの話題を持ち出したらどうなるだろう?何人かは見たことがある、あるいはウルトラマンおよび特撮マニアでもいれば話に花が咲くことでしょう。では見ていない人、興味のない人はどうなるか?話についていけず、沈黙することになるでしょう。

話題としての提出ならともかく、四六時中この話をするようになれば、当然興味のない人は最早喋ることすら難しい空間になります。

文字通り「一部の人にしかわからないこと」を(で)話すことが、身内ノリの基本的な解説です。

 

身内ノリに該当するものはもう一つあります。どちらかというとこちらの方が内在していて非常に気付きにくく、かつ明確な嫌悪感をもって問題となっている気がします。

それは「格差」です。

格差として特に多くみられるのは「特別認可」、簡単に言うと、「特別に許してあげる」というもの。

禁止事項に振れた場合で説明します。

例えばコミュニティ内で不適切な発言、何かしらの荒らし行為、何かしらのまずい行為をした場合、例えばそれが別段仲良くない相手なら当然にBAN、あるいは糾弾を受けるのが通常ですが、普段から仲良くしている人の場合は許す、または黙認し、後になって他社からの糾弾を受けて初めて事件が露になるという状況。実例を挙げるわけではないですが、多くの問題を発生させたコミュニティにはこの現象が付きまとっています。

この特別扱いは必ずしも誰にもわかる悪事に付きまとうわけではなく、しばしば日常会話の馴れ合いの中で度を越えて出てくることもあります。

たとえば10年来の親友と会って間もない人とでは無礼講の是非に違いがあるのは当然かもしれないです。旧知の仲の罵詈雑言等を身内ノリ呼ばわりしようというのが本記事の主張ではない。

しかしこれが所謂”いつメン”という一定規模の集団の中で見られた場合話が変わってきます。

過ぎた慣れ合いを集団間で繰り出した際に、新参者が同様の発言をまねした際に露骨な嫌悪感を示し、「そういうのはどうかと思う」とまるで閻魔の如く糾弾し始めるというシーンを、私は他キャラ窓で見たことがあります。当時のそれは、何かしらの記号みたいな会話ネタを行っており(2339みたいなもの)、便乗した新参者だけが糾弾され、非常に気まずい空気を放っていたのを覚えています。

あの"奇妙な匙加減"で展開された会話は、極特殊な話題などを取り扱っていないにもかかわらず、身内にしかわからない沸点を孕んでおり、非常にしゃべりづらい空間=身内ノリであったと今では思います。

 

つまりは、身内ノリというものは言語として現れたり、態度として現れたりと思ったよりいろんな形でコミュニティに展開されるというわけなのです。

あなたが体験した変な空気も、広い目で見れば身内ノリだったのかも。

 

身内ノリの功罪

身内ノリの定義の段階で大半は話してるんですが、改めて身内ノリが存在することの影響を話したいと思います。

目につくのは罪、つまりはよろしくない影響のことですね。先にこちらから。

身内ノリの罪

・新参バイバイ

文字通り新参者が消えます。

単純にノリに合わない、という場合は仕方ない部分もありますが、わからない人は一緒わからず、説明もされない謎の言語での会話、あたかも話についていけない奴が悪いといわんばかりの締め出しの話題振りなどがあれば、どちらかというと常駐民から締め出したような形で新参者を追い出すことになります。

合った合わないは人それぞれであり、後述しますが参加側にも原因があっての非定着ということも十分に考えられるので一概に言えませんが、身内ノリが第一関門になることは一つのポイントといえるでしょう。

 

・グループ分裂

コミュニティ内に仲良しグループが分家し、それぞれ別行動をとることになります。

例えばA,Bとなんとなく"いつメン"が分かれた際、それぞれで身内ノリが発生します。管理者がいずれにも属していない場合は問題が顕在化しませんが、そうでない場合は、片方のグループに加担した様な運営が行われたり、取り組みに従わないといった問題が発生することもあります。またきれいに分かれてるだけあって露骨に関わろうとしなかったりと、グループに属してない人からすればどうでもいい抗争に巻き込まれたも同然となります。

かつて、運営に唾を吐いて「俺は俺たちの住み良いコミュニティを作るぜ」と言い放ち、「エリート〇〇窓(仮名)」を対立させた悪漢がいました。

本窓の運営もそこそこ癖が強かったので部外者からみてどちらが悪いと断定する材料こそありませんでしたが、普通に参加希望者、一般窓民から見れば最悪な環境だったかなと今では思います。

 

・不信感

定義後半で話してた特別認可が影響するものです。

「あいつはOKだったのに何で俺は許されないんだよ、なんでキックされるんだよ」という対応格差は特にTwitter等で一番告発されてクソ面倒話題になることが多いかと思います。

管理者が主にキックや措置を行うため矢面に立ちやすいですが、そういった特別認可をしたがる不届き者がコミュニティに入り浸ってる場合もこの事態を招きやすく危険です。

全然どうでもいい私事を話すと、窓主に就任当初ケジメつけるためにある窓民を指示されるがままに追放しようとしたことがありまして…その際は逆待遇(一発BAN)をしようとしてしまったことを強く反省した覚えがあります(結局取り消された)。結局当人はこちらの後ろめたさにあやかって問題発言を繰り返したのでBANすりゃよかったなと今は思ってます。

 

ここまでで身内ノリの悪しき要素を説明しましたが、一応身内ノリには良い点があったりもするのです。そうでないとネス窓が死ぬ。俺は自分の管理している窓を燃やしてることになるぞ。

身内ノリの功

・フランクな空間の形成

特に格式高いと思い込まれている空間ほどこの効果を発揮します。

特にコミュニティグループに参加する必要性が必ずしも高くない界隈では、”敢えて参加する”という行為は若干ハードルが高いとみなされており、特に「志が高くなければ敷居をまたぐことすら許されない」と思い込んでしまう人も少なからずいます。

実際ネス窓運営してて「強くないと入れないと思った」「大会目指してないとだめですか?」「非VIPなんですが入れますか?」といった心配の声を聞いたこともかなりあります(普通に入れるので安心してください)。

そういう空気は同時にピリピリとした緊張感、弱者が話してはいけないのではないかといった別の先入観を形成しがちです。

その際にある程度の身内ノリが存在すると、ある種の話しやすい空気に換気する効果を示す場合があります。

例えば、変な挨拶がある、誰でもウェルカムのいじられ役がいる等、新参者の一歩を踏みやすくし、同時にその足をつかんで沼に沈ませんというある種のコミュニティに対する中毒性を生むきっかけづくりには多少役立つのではないでしょうか。

 

・ルールの形成

先ほど空気の話を少ししましたが、簡単に言えばそこのご当地ルールとして身内ノリがあるというのも割とコミュニティによってはあったりします。

簡単なところでは、新参古参問わず変なあだ名がつくとか、複雑なところではちょっとしたオイタも何らかの条件で許される(受け入れられる)といったものです。

窓内のちゃんとした規約やルールにはないが、暗黙明示問わず存在する「こうである」という共通認識に誰しもを当てはめることは、コミュニティに対する所属意識をつけると同時に、また中毒性のようなものがあるといえるでしょう。さっきから薬物の話してる?

 

総じて、身内ノリの存在は功罪問わず内外の隔たりを大きくする効果があるといえます。

合わない人はとことんあわない、合う人はどっぷり浸かる。

コミュニティにとって参加者の定着は課題であり、できる限りの発言や催しへの参加をしてもらいたいと思うのが管理者の常なのですが、癖の強い空間にして定着者を逃さないか、フラットな空間として浅く広く受け入れるかは永遠の課題です。

 

 

管理者、参加者の心構え

さて、ここまでで色々話してきましたが、身内ノリおよびコミュニティに対する定着っていうのは運営(常駐)側、参加側双方の認識によって成り立つものであり、同時に崩壊するのも一方的な理由ではないと私は考えます。

というわけで、一応双方の認識の「かくあるべし」を私なりに考えたので、ここだけ読んでくれればいいです。単位あげます。

 

運営側の心構え

・身内ノリか"風土"か見極めること

要は身内ノリはすべて悪と決めつけてつぶさないことです。

4,5人だけで形成された話題やミームは多くが身内ノリという言葉で片付けられるものが大半であり、管理者皆々も、そして私も忌避したいと思っている悪しき風習に進化する危険性を孕みます。

では、その身内ノリらしき空気が20,30,40人規模となったらどうでしょう?

そもそもキャラ窓を筆頭に大半のコミュニティグループというのは、参加者こそ100~500、公式サーバーとか何とかいえば4桁レベルまで膨らんだものこそあれど、毎日のようにコミュニティに顔を出し、会話や催しを楽しむような常駐者の人数自体はその10分の1にも満たない場合もあります。要は常駐者が実質そのコミュニティの全体分母と数えられるわけです。

いつも来てくれる人たちこそそのコミュニティの空気を形成しているといっても過言ではありません。それが30人、ガッコーの1クラス程度いたうえで所謂身内ノリを展開していたら、もうそれはその窓の文化と言わざるを得ないわけです。

それを破壊するというのは、誰のためかもわからず国一つ破壊するようなものなわけで、必ずしもそのあとにクリーンなコミュニケーションが取れる素晴らしい空間が待ってるわけではないのです。

 

・アピールを惜しまない

結局のところコミュニティに入るか入らないかは本人のスキキライ、そこまで題材(つまりはゲーム自体など)に入れ込んでいるか、あとはコミュ障か否かという本人だけで完結する問題が多いのでしょうがない部分もあります。

管理側ができることは、「どれだけこの空間をアピールし、相手に疎外感を与えないか」ということです。

どんだけ好きなもののコミュニティでも、身内ノリがあろうがなかろうが、当人が”相手にされない”状況を作ることが一番の疎外感を生みます。

やたら説明がグダグダ書いてあるラーメン屋、ずいぶん蘊蓄垂れてんなあと思いますが、あれは精一杯のラーメン屋からの歩み寄りなのです。あれがなくて「わかんねー奴に食わせる麺はねえよ」って言ったらおしまいだってことがラーメンハゲの漫画にも描いてありましたね。え?わからない?そっかぁ。

 

・ネコは平等に人を裁く

身内ノリに一番やっちゃいけないのは冒頭でも話した格差を生むことです。

誰々だからこのノリはOK、でもこの人が同じことをしたら調子乗ってるからダメ、といった、ルールにもない特別な拒絶は疎外感どころか完全に否定するナイフになります。

良いも悪いも酸いも甘いもご新規さんにも常駐者にも平等に与えられるように可能な限り統一することが重要です。

全員パンツ脱げば誰も恥ずかしくないんだよ、一人だけ履いてるからその人だけ目立つし気になるんだよ。このコミュニティに来た以上全員パンツ脱げよってことです。

 

管理者側、常駐側はいかにこの空間の一員としてその人を引き込めるかが重要になるわけで、その際に身内ノリは引き込む要因にも、阻む原因にもなりうるものです。

 

参加側の心構え

・転校してきたと思え

転校してきた先の学校の空間とはどんなところか?

繰り上がりの学年ならすでに仲良しばかりで構成され、授業が終われば今日どこ行く?とか昨日のマイトガイン見た?とかそういう話をしているわけです。

この時点で独りぼっちなのはあなただけですし、それをどうにかしなきゃいけないのは他でもないあなたなのです。

もしかしたら、あなたのランドセルについてるキーホルダーを見て「あ!グフ・フライトタイプじゃん!お前ジオニックすきなん?」って声かけてくれる優しいクラスメイトもいるかもしれないですが、キーホルダーつけてアピールするのはあなたの仕事。

ネットは顔を見て話したりできない分糸口はむずかしいかもわかりませんが、あなたが特別変な会話をする、あるいは相手が変人でもない限り、踏み出した一歩はちゃんと掴んで沼に入れてくれます。がんばって。

 

・みんなを知ろうとしよう

何か知らない単語とか、不思議な空間に出くわしたら、別に「それなんすか?」って聞いて構わないです。答えてくれなかったら正真正銘悪い身内ノリのある空間なのでドンマイって感じです。

話しづらい、わかりづらいという気持ちもわかりますが、別に身内ノリに限らずなんかわからんことや知りたいことに対してWhatをぶつける姿勢自体は新しいコミュニティに入った際に大変重要ですし、下手な話題を切り出すよりよっぽど簡単に他人とおしゃべりするきっかけづくりにもなります。

コミュニティに対する興味を持つことは、そこに明示されているルールもちゃんと読むきっかけにもなるので、後で何か問題が発生したときにどっちが悪いんだ?と揉めなくて済むというか問題も発生しづらくなるかもわかりません。

 

結論から言えば、双方の歩み寄りがコミュニティにとって重要なわけです。

その際に一番矢面に立つのがこの身内ノリと呼ばれるコミュニケーションの手法であり、正しく理解していれば毒にも薬もなるんだよっていうお話。

 

 

余談

ネス窓はたぶんほかの窓に比べて著しいというかきつすぎるレベルで身内ノリがはびこっており、たぶん告発されてる窓面々なんか比にならないと思います。

実際、このノリに合わないと思って抜けた、定着してないよ、っていう過去参加者もいると思います、というかいるでしょ。

しかし、管理者としては4年あまりの管理経験から、この空間に30人前後の人間が入り浸るようになり、それぞれが独自に窓内で自分を押し出していった結果生まれたこの風土が正解だと信じて疑っていません。

たとえその日の2人の間だけで生まれた意味不明な身内ノリでも、全部拾って窓全体にばらまいて恒常化せんという常軌を逸した取り組みも、平日の通話に10人以上が集まるような結果を導いているのなら俺の勝ちだと思っています。

酔狂も甚だしい運営者の舵切に対し、構わないとついてきてくれた窓民、いや俺には関係ないが?と気にせず常駐している窓民には頭が下がります。微力ではございますが、全員復帰のサンダーをサイマグで吸うという形で感謝を述べさせていただきます。