クラムボンは存外笑い上戸

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対戦ゲームの“ガチエンジョイ”勢としての手記 -イベント主催の側面を添えて-

初めての方は初めまして、久しい方はおひさしぶりです。

スマッシュブラザーズSPにおいて非公認組織「ネス窓」の窓主(管理者)を5年ほどやっております、あんころもちと申します。

前作の終わりから今日に至るまでずっと管理者を勤めている私ですが、「なんで引き継がないの」と聞かれる前にさっさと隠居しようと目論んだこどか多々あります。ただ引き継ぎ先に考えてる相手が受験で離脱、ネット環境的に一切オンに潜れない等の問題でウダウダしてるうちに万年このサーバーの管理者の立場から変わらずにいます。あほ。

今ではほとんど名前で呼ばれることもなくなり、“マドヌシ様”とか“ヌシくん”と呼ばれることに慣れてしまったため、「今この立場を失ったら俺は一体何になってしまうんだ?」という恐怖と好奇心の狭間で今日も引退ができない。

 

前年、窓主としてキャラ窓がどんな感じで存在しているのかについて一本書かせて頂きましたが、今回はイベント企画者として、またゲームをエンジョイする人間の立場についてのよしなしごとを長々と書きたいと思います。

 

本記事は旧ネス窓主兼親愛なる隣人である寝椅子さんの企画に向けて書かれたものです。

読む前に下記を参照ください。

https://adventar.org/calendars/8822

https://adventar.org/calendars/8855

 

 

目次

 

なんでこのことを書こうと思ったの?

毎年この企画に参加したい!という発想を持つのは簡単なんですが、いかんせん書く内容を吟味しないことには始まらない。

先日自分が開催に関わった企画の構想のことをとりあえず第一候補に、偶々友人と趣味に向ける熱量についての話をする機会があって、そこらへんをまとめたらなんとなく記事が書けるんじゃあないか?と思って書き出した…今書いてる。

 

年末にコミケにモノを出す友人、というか先日の企画の参画者と作業通話をしてた際に、「オトナになっても続けられる趣味って中々ないよね、続けていくのって難しいよね」って話が出ました。

結局趣味は強制でもないし、自分がそのジャンルの第一線で活躍するわけじゃないとなれば、良くも悪くもそれを尊んで継続する原動力(熱意)は自分にしかありません。

そこでの結論は「それでも"続ける"って選択をし続けてることが今日に至る自分を形成してるんだよね」みたいな事だった気がします。

そんなところで、エンジョイ勢としてこのゲームを続けてきた自分の心構えというか、自分に対する免罪符というか、正当化する言い訳を記事にしたためたら何かが何とかなるんじゃね?「このゲームをだらだらやってきたことも決して悪くなかったよねハム太郎?」と言い聞かせるための文章を書く決心がついたわけです。

 

エンジョイ勢とは

主題の定義がそもそもガバガバ。エンジョイ勢って何?

ここでびっくり。weblioに載ってる。

定義は以下。

勝ち負けハイスコアよりもゲームを楽しむことを重視する人々意味するスラング 

これ以上説明する必要のない、全然想像に難くない表現です。

一般的におはなしする分にはこれでおしまいなんですが、実際はもっとめんどくさい、こじらせた人類だと思ってます。というか筆者自体がそうなのですが、スマブラをやりこんでない人(ここでは“カタギ”と呼ぶ)がやる大乱闘やアイテム乱闘みたいなフツーの楽しみ方では満足できなくなっちゃって、でも一線で戦ってるわけではないから、謙遜か劣等感か色んな感情渦巻き自分からは決してガチと名乗れない、でもカタギの人から「スマブラめっちゃつえーじゃん!ガチ勢だろ?」と言われたら「ガチ勢です」と答えてしまう、ただしTiktokの切り抜きのガキの考えた非確定コンボにどうしても顔が引き攣ってしまうような人類。

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そこまで言うことないじゃんとか、どうしてそんなこと言うの?って独歩ちゃんもいるかもですが、少なからず身に覚えがある人だっているんじゃないの?とも思います。

ポイントは前者、タイマンやTAありのチームが楽しくて仕方ない、カタギとは試合にならなくなっちゃった人。これは結構いるんじゃないかなあと。

私はこれをずっと"ガチに短しカタギに長し"と呼んでるのですが、まぁ流行りません。

決して勝ち負けに拘らないなんて思想は持たない、負けたら悔しくてたまらない、でも勝てるほど強くはない。そんな実力と個々人のオキモチのマリアージュを今回エンジョイ勢と定義したく。

認識のずれはあるとしても、あくまで本記事は私個人の免罪符の側面を持つため、私に都合のいいように定義していることには留意されたし。

ここの線引きは、カタギと一緒の括りにはいられない、競技シーンには顔を出せないこの間のゾーンの人類。これこそが"エンジョイ勢"。本項はこの解像度を整理したにすぎません。

 

エンジョイの垣根 〜括りの曖昧化について〜

エンジョイそのものはごちゃごちゃと定義しましたが、エンジョイとガチの間の溝というものは、対戦ゲームプレイヤーの括りとしてはかなり緩くなったように思います。

例えばストリートファイターは、よき文化であり溝を広げる原因であったコマンド入力の簡素化(モダン)を敢行しゲームの"入口"のハードルを著しく下げるに至りました。

所謂やってるガチ勢に対してモダンでも通用するし、キャラクターを突き詰めたい欲を抑えられない闘士にはそこで初めてコマンドあり(クラシック)に移行できる許容の広さ。

コマンドの簡素化は一人プレイのハードルも下げ、対戦ゲームがそこまで得意でない人が格ゲーを買うという今までではなかなか考え難い傾向も生んでいるようです。

超玄人ゲーのヴァンプ、3rd出身のハイタニはモダンで世界5位。

スマブラはもともとがエンジョイ向けのゲーム。そこからタイマンの仕様が公式によっても整備され、非公式ながらタイマンをメインとした競技スマブラが我々の蠢くSP環境です。

2018年に発売された本ゲームは2023年12月で稼働5周年を迎えるとのこと。

前作が2014年~2018年寿命だったことを考えると随分長寿なコンテンツです。ロングランだったオフ大会の多くがその歴史に幕を下ろしているのも事実ですが、都内で新規オフが生まれつつそこそこに人が集まっているのもまた事実。最上位は今ゆるぎないものになりつつあれど、その下の覇権はコロコロ入れ替わり、先日のオフでもワイルドカードがリザルト入りしているほどの群雄割拠を成立させていたり。

要はこのゲームはいろんな意味で凝り固まってなくてずっとオープンなので物理的にかなり上を目指しやすい。

ウメハラ氏の動画のどこかで「上を目指すなら人口の多いゲームをやれ」的な話がありましたが(誰かリンク張ってくれ)、その点でも分母に困らない。新作は待ってるよ

ライトレベル向けのオフ大会が今なおポツポツあることも大きなポイント。ビギナーズ大会やレート制限大会は、"エンジョイ勢"で定義した実力とキモチの問題を解決し、"手軽に上を目指す"事ができる小目標を達成させる、"ガチ勢"に踏み込む働きを生んでいると考えています。

ゲームのシステム側の配慮や有志の方々のイベントというカタチ、いろんな方法で垣根緩やかになっているよねって話です。

 

イベント企画の話 〜万人を満足させる企画とは〜

これは上にも少なからず関係するイベント企画者としての話です。

私が関わったのはネス使いのためのオフ会『念舞祭』。その名の通りキャラ使いのための会合みたいなもので、一般に行われている大会や対戦会に比べればかなりカジュアルな内容で打ち出したものです。

開催にあたって悶々と考えたのは、「この企画のターゲットは誰か?」ということ。

これは仲の良い使い手同士で身内飲みをするといった企画ではなく、"ネス使い"という緩い括りで初見さんも取り入れたいと考えて生み出したものであったためです。

「じゃあ初心者や初見さん向けのふわっとした内容で良いのでは?」とも考えたのですが、ここでこじらせた私の自称"エンジョイ勢"の側面が顔を出します。

「ただ緩いだけならどこでもあるのだから、ここでしかできないレベルのものを作り上げたい」と。

……というか、会の発足時にメンバーを確保したら平均レートが1600を超えてしまったんで、参加する彼らにも満足してもらうことが必然的にマストになったってだけなんですけども。

無事無事参加者はほんとにランカーとVIP前後という事案になってしまい、本項の主題が襲い掛かる。「万人を満足させる企画とは何か?」。

詳細は別個オフレポートを参照していただいて(ダイレクトマーケティング)、私がここで目指したものは、いわゆるビギナー大会に私が思い描いている「小目標の達成」、そしてガチとエンジョイの垣根の軟化でした。

これをまんま大会形式にすると当然実力差が顕著にでてしまうし、かといってタイマンの戦乱を潜ってきた人に大乱闘で楽しく仲良くやりましょうも違う気がする。

而して相方ネス固定のダブルエリミチームという回答が実施されましたが、結果として個々人の感想を見るに目的は達成されていたのかなと思います。

あるプレイヤーは「同じランカーとしてまだ未熟だ、もっとできることあるモチベが上がった」と述べ、あるプレイヤーは「勝てたのがうれしい、もっと対戦したい」と。また優勝者からは「自信が持てずにいたが、今回の優勝が自信につながった」とも。

レートにして2000帯、1300帯、1500帯の皆がうれしい誤算や前向きな悔しさを述べ、一律して上を向き、目指してくれた報告を聞いた時にこいつらチョロイなこのイベントを企画してよかったなとしみじみ思った次第です。

2000ランカーが俺の企画で悔しがってんの見るとすげー脳汁出る。

忘れちゃいけないのが本企画はエンジョイな企画だよってことです。

でもみーんな勝った負けたをカジュアル且つ本気で楽しんでくれている。10本指のネス使いも、そうでもないそこら辺のネスガキも、みんな勝ったら嬉しい!負けたらチクショー!と地を叩いて悔しがる。

ここで定義するエンジョイ勢は、良い意味で勝ち負けをすごく大事にしている。ガチ勢と一緒に。

ほっといても垣根なんか最初からなかったのかも…?

エンジョイすることを“ガチる”楽しさ

本題はこれです。

私が弱いままな言い訳をするゲームをどういうカタチで楽しむのか?ゲーマーというカタギの皆さんに比べてゲームをするという行為に"ガチ"になってしまった私たちにとって、ゲーム…スマブラをする意味は何なのか。このゲームを通して何を得たいのか。

冒頭に書いたように、こんなものは趣味だし趣味に無理に大義を見出そうとしたり、何かしらの義務感を持とうとすると途端に息苦しくなるので、別にそういう重たいものを持とうというお話ではなく、やってきたことをふと振り返った時に「俺何やってたんだろう…」という虚しさを抱きたくないという言いわけ理由のためです。

社会人になってしまうと、自由な時間は途端に少なくなります。途端に焦燥感にかられ、楽しむための熱意と義務感をはき違えてしまって、どうしても何かを成し遂げないといけないとか、無駄な時間にしたくないといった思いに駆られがちになります。

しかし時間に余裕のあるプレイヤーに比べてプレイ時間は当然削られ、結果を出していくのは難しくなります。

そんな中でどこに達成感を得ていくか?

…結局私は大会の優勝を目指すことが熱意の矛先ではなくなりました。

私がガチで目指したのは上に示した、いわばみんながエンジョイすることに本気になり、あわよくばガチにもなれる空間の形成。

定義の上では依然プレイヤーとしてはエンジョイ勢でありながら、取り巻く環境に対してガチを目指したいびつな生物"ガチエンジョイ勢"(タイトル回収)に成り果てたわけです。

これは義務感ではなく、あくまで自分が楽しくてこういう取り組みをやっている。本質的にエンジョイであることに変わりはないのです。

 

ここまで本文に付き合ってくれた紳士淑女の皆さん、このゲームをどう楽しんでいますか?

もちろん今の実力に満足していて、昼夜スマブラをするのが楽しい人もいれば、あくなき挑戦で平日休日の対戦会でリザルトに載ることを目標にガチっている人もしかり、あるいはオンラインで当たった体力制射撃Miiに蹂躙されて「なんでこんなことしてるんだろう…」と急に賢者モードに入っている人もいるかもしれません。

ふと賢者モードに入った時に、「結局これやってる時間は無駄なんよ」ではなく、「やっぱこのゲームおもれーしやっててよかったわ」と言い訳できる振り返れるだけの熱意があると、楽しめるっていうか…なんかまあ悪くないよねアタシの人生って思えるよねって…明日も楽しめるよねハム太郎?トリコお前は?って…

…それが言いたくて5000字も書いてんのかよ。夜中の1時に?明日仕事なのに?

 

あーあ。なんでこんなことしてんだろう?